空間デザインのために目を肥やすとは


一昨日から、デザインの勉強としては「目を肥やすことが一番」という話を続けています。

今日は空間デザインについて(*^_^*)

空間をデザイン、レイアウトだったり設計するときには、その用途に相応しい広さというものがあります。

一流ホテルなどに行くと、背筋までがピンと伸びる気がするのは、空間のエネルギーが高いからですよね。

2Dなどの紙面、WEBだけでなく、3Dの空間デザイン、インテリアデザインでも、
レイアウトする上で大切なのは、

何をテーマ(主体)にしているか、メインは何か、どこを見せたいか、何を見せたいか、
それを決めた後に、サブや、エキストラ的な添え物をレイアウトしていくことが重要です。

以前に、とあるお屋敷に行った際、
すごく高級な椅子や机が並べられているのですが、
デザインの統一感もなく、通路もほとんどなく、ぎっしりと置かれていて、
最初は私は間違って倉庫に来たかと思ってしまったことがあります。

そこが「リビングダイニング」だと聞いてビックリしました。

本来、高級な家具であればあるほど、それらが持つ空間の広さがあります。

折りたたみ椅子を講演会などの会場にレイアウトする場合、隣とのピッチは、肩幅ぐらいでぎっしり並べます。

しかし、高級な椅子に座るシチュエーションを考えると、隣との席間は、人が二人ぐらいすれ違える方がいいです。

空間のレイアウトというのは、目的に相応しいレイアウトをすることでもあります。

空間デザインであれば、メイン動線、サブ動線を考えた時に、
どこに主体を置くか、何を目的でその空間を作るのか、そこから考えていきます。

そういった空間のデザイン、レイアウトができるようになるには、インテリアデザイナーになりたい場合も、
高級レストランや、一流のホテルラウンジなどの配置と空気感から「目を肥やす」と同様に「感覚を身につける」ことが大切です。

また、自分が飲食店のデザインをしたいと思っているなら、人気店のレイアウトなどを参考にするといいでしょう。

例えば、通路幅の感覚を覚えるには、自分の1歩の歩幅はどれぐらいなのか、

自分の腰の高さ、胸の高さはどれぐらいなのか、1mはどれぐらいなのか、

吹き抜けを見た時の、フロアの高さがどれぐらいなのか、

目の高さはどれぐらいなのか、

ピクトや表示といったグラフィックとの兼ね合いも、

自分の感覚を数値として知っておくことも大切です。

その他でも、例えば一坪、約1.8m×1.8mの広さには、
何人立てるかな、何脚の椅子を置けるかな、

テーブルセットだとどんな感じになるかな、という感覚が身についてくると、

広さを見たら図面が頭にうかんで、家具のレイアウトが想像できて、空間のユーザビリティも計画できるようになります。

先程のリビングダイニング、おそらく同じ人がレイアウトしたであろう事務スペースを見たときにもビックリしました。

机に向かって座ると、背中合わせの人は位置をずらさないと腰掛けられないし、もちろんその間を通ることはできません。

空間レイアウトの感覚がない人がデザインしてしまうと、そんな家具選びとなってしまいます。

さすがに事務スペースなので、情報雑誌と同じく、できるだけ詰め込みたい気持ちはわかりますが、利用する側はたまったものじゃありませんね。

車の運転をするようになると、いつも運転する車の車幅で感覚を覚えてしまうので、少し大きな車を運転しようと思ったら、車幅感覚がわからなくて傷つけてしまうこともあるでしょう。

空間デザインでも同様に、目的に相応しい広さ感覚を身に着けるには、自分で色んな空間を体験していくしかありません。

そういったなものは、ひとつひとつ覚えることで学んでいくこともできますが、感覚として身につかないことには応用がききません。

そのためには、やはり良いものをたくさん見る、真似る、ことしかないのです。

かといって、特に日本人にとっては、
「どちらが居心地がいいか」「どちらを求められているか」というと、ケースバイケースなんです(;´∀`)

人によっては、広い洗練された空間であっても、居心地がわるく寂しく感じてしまい、ゴチャゴチャとモノが多いところのほうを好む人がいます。

特に日本人は損得勘定が強いので、いかに詰め込めるか、モノが多いほうが良いように思っている場合もあります。

ですから、自分が提供したいデザインのターゲットをしっかり決めて仕事をするほうがいいですね。

でないと、昔の私のように、自分がいいと思えないものをクライアントの意向ということでデザインしないといけない、ということになってしまいます。

そうなると、デザイナーである私も納得いかない、クライアントも満足できないデザインができあがってしまうのです。

なので、自分がどんなものをデザインしていきたいか、それが先で、
それを発信、表現し続けた時に、自分の感覚を求めてくれるクライアントと仕事をしましょう。

もちろん、たくさんお金を支払ってくれるのは、デザインや構図がしっかりと考えられたものを好む人達ですが、
ゴチャゴチャとどれだけ詰め込めるかを求められるデザインのほうが、日本では圧倒的にニーズが多いということも頭に入れておかなければいけません。

在宅のフリーのデザイナーであっても、
フィー(請負額)が3万のデザインを月10件こなすよりも、
月に1件でいいので、上質なデザインを30万で提供していける方がいいですからね。

そうして、単価を上げていけるように自分のスキルを高めていくには、どんどん目を肥やしていくことです。

写真は某ホテルのラウンジで(*^_^*)

今日は上質な空間にありがとぉ(*^_^*)


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