クリエイティブは安かろう悪かろうではダメ


「安かろう悪かろう」という言葉をご存知ですか?
私、実は結婚するまで知りませんでした。

何でも安けりゃいいと思ってました。

いい、というのは「良いもの」というより、
「ラッキー」「お得」という感じでしょうか。

あれば事足りるという感じで、食べ物にも、持ち物も、あまりこだわりがなかったんですよね。

これは、裏返せば、自分の仕事も
安い方が喜ばれるだろうという価値観になるわけです。

でも、時間がかかった分は頂きたい、という感じで仕事をしていました。

起業してフリーで仕事をしているにもかかわらず、時間で能力を切り売りしていたんですよね。

確かに20代で月50万もの売り上げになっていた時には、本当に休む間も無く作業していましたから。
若いからできたのでしょう(^◇^;)

当時は気づかなかったんです。
発注元であるクライアントは、物件の重要度で外注を使い分けていました。

同じ様に1枚の図面とパースですが、金額が倍ほど違っていた様です。

私はとりあえず何でもこなしてしまうのと、価格交渉が苦手だったので、言われる金額で受けていたから、手間と労力のかかるものをよく頼まれる様になってしまいました。

私が安く請けてしまうことで、同業者の価格破壊になっていたかもしれません。

有能な外注さんは、肝心なコンペの時には敵会社のブレーンに入っていたりしたようです。

そうして、安く請け負うことで、自分の価値も下げ続けていたことに気がつかなかったんです。

今になってわかります。

「安いことが良いことだ」と思っているので、私自身もどんどん単価を下げてしまっていたのです。

クリエイター、デザイナーで食べていけない人は、このループにはまってしまっています。

サラリーマンをやめるということは、時間単価で仕事をしないということです。

自分の能力、質や、アイデアだったりオリジナリティで稼いでいくために起業して、どこにも属さずフリーになったのです。

ここを忘れてしまうと、ただの使い捨て外注さんになってしまい、
月数万からがむしゃらに働いでも2〜30万止まりになるのです。

結婚して夫が迷った時にとりあえず高いほうを選ぶので、私の価値観と真っ向からぶつかりました。

とりあえず選ぶのであれば安い方じゃない?という私の価値観は、労働者思考どっぷりです。

その時に夫に言われたのが、「安かろう悪かろうじゃない?」と言う言葉でした。

とりあえず高い方にするというのは、高い方が安心だろうという気持ちがあると聞いてビックリしました。

「安物買いの銭失い」という言葉は知っていましたが、高価な良いものを知らなかったとも言います(;^ω^)

安いものばかり選んでいると気づかなかったことです。

高いものは壊れにくいし、サポートやフォローまで考えると、安いものよりお得な時もあると、夫の価値観に出会ってから知ったのです。

軽自動車とかしか乗っていなかった私は、夫のレガシーを運転するようになって、いきなりスピード違反で捕まりました(^◇^;)

いや、ほんとアクセル踏んだらスピード出てしまうんですもの。

高い車の方が、安定して走れますし、幅寄せされたりもしません。

相手も車を見て割り込んでくるんですからね。

もちろん、何でも高ければ良いわけでもありません。

自分のこだわりのあるものにお金を払う、良いものに高いお金を払う、それは、価値をきちんと受け取るということなのです。

他人の価値を受け取れないと、自分の価値も認められません。

自分は大したことがないからと、自分を大切にできない思考のままであれば、
どんどん自分を安売りして価値も低くしてしまいます。

クリエイターや、デザイナーを目指す人には、そんな価値観からまず見直して欲しいんですよね。

自己評価が低くては、クリエイティブな仕事はやっていけません。

自分に自信がないから自信をつける努力をする、
数をこなしてみて、それを気に入ってくれる人からの仕事を請ける、
クリエイターですから、自分を表現したものは必要です。

1つや2つではなくて、それを見た時にあなたの作品だとわかるようなオリジナリティが感じられるまでの量は必要です。

あぁ、これもドリカムの歌ね〜みたいな感じです。

そもそも、人の好みなんて千差万別ですから、ドリカムが好きな人もいれば、嫌いな人もいるんです。

自分らしさを創る、その努力をせずに自信がないと言うのは、時間を切り売りする仕事に戻った方がいいです。

給料をもらえる会社勤めのデザイナーの方が幸せでしょう。

でも、在宅で仕事をしたい、独立したい、クリエイターとして、デザイナーとして認められたい、と言うのであれば、
「自分」を認めて、創り上げることからです。

その時に、「高いものほど質がいい」と思っている人に、がっかりさせないクオリティを提供できるように、自分を磨いていく必要がありますね。

ともかく高くすればいい、では、すぐに見破られてリピートがなくなりますよ。

自分のこだわりと、丁寧さ、そして直感を信じて創作していく、創り上げていくことの楽しさを知ってほしいのです。

それは、必ず伝わりますから。

今日は質の高い良いものと、それを教えてくれた夫にありがとぉ(*^_^*)


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